奈良手紡ぎの会で見た摘みたての綿
今日の奈良市は一日中雨であった。
つちや織物所は二階建てで、一階は台所等があって、二階に上がると糸紡ぎ機などが置いてあるのだが、今回は収穫したての綿が並べて置いてあった。
摘みたての綿はガクの部分がまだ緑で、だが綿がつまっていてはじけた皮の部分は固くなっていた。
今年は雨が少なく、日照時間がたっぷりあったので、早めの収穫になったそうだ。
ワイナリーでのシャルドネの葡萄と同じく、まだ収穫には早い綿もあった。
ツチヤさんによると、雨にぬれるとガクの部分から色素がにじみ出て、白い綿が茶色く染まってしまうので摘んだそうである。
なるほどたしかに、毎回まずは種取りを最初に行うのだが、その時に綿が茶色くなっているものが多いことがある。
そういう綿はたいてい雨が降った翌日などに摘んだものだそうである。
その茶色く染まった綿は別の竹籠に分けて、染色をしてから使うのだそうだ。
こうやって一つずつを比較してみると、なるほどたしかにはじけきっていないような綿もあるのがわかる。
そのとなりにみっしりと敷き詰められているのは、ガクと皮の部分を取り除いたもの。
一面綿だらけだと、思わず飛び込みたくなるふわふわ加減だが、綿繰り機(種と綿を分けるための木製の機械)にかけていないのでおそらく痛いと思われる。
さすが畑で300本も育てているだけあって、一度の収穫でこれだけ綿が摘めるのかと思うと感動ものである。
自宅の庭で育てている綿もはやくはじけないかとそわそわしているが、まだ実といっていいのだろうか、実の部分は緑色である。
花が萎れてから50日経たないとはじけないそうである。
いつか自宅で摘んだ綿を綿繰り機にかけて、手に入れた種を庭にまいてみたいものであるが、今年は種をまくのが遅れたため、まだまだ花芽が小さめのものが多い。
おそらく来年もツチヤさんからいただいた種をまくのだろうと思っている。
来年は赤色の綿も植えようと思って、ツチヤさんにも赤綿を綿繰り機にかける許可も今日いただいた。
来週が非常に楽しみである。